【救急】AHA2020年版CPR及びECCのガイドラインの変更

アメリカ心臓学会が提唱する心肺蘇生法に変更点、再確認点がありました。

 

・アドレナリンの早期投与の重要性が再確認された。

・妊婦に対するCPRのアルゴリズムが追加された。

オピオイド中毒のCPAに対する対応が追加された。

 →日本での薬物の使用頻度はアメリカよりは少ないので省略。

 

よって、大事な2つです。

1、アドレナリンの早期投与は、成人であっても小児であっても同様で早期投与が望ましいという結論に重点が置かれています。救急救命士であれば、どのタイミングで点滴を取るのか、どのタイミングでなんの処置をするのか、非常に難しいと思いますが、早期アドレナリン投与を念頭に置いて、活動しましょう。

 

2、妊婦に対するCPRのやり方ですが、一般的な成人と大きく違う点が1つあります。それは、継続的な子宮左方移動を行うことです。私自身、あまり馴染みのない処置でしたので、助産師の方に聞きましたが、病院でのCPRでは必ず子宮左方移動を行っているとのことで、男性の力でも思いっきり動かしてもいいとのことでした。

 要は、仰臥位でのCPRでは妊婦さんの大きなお腹によって下大静脈が圧迫されているので、CPRの効果が低下してしまいます。救急車内に収容している場合は、ストレッチャーを中央部まで動かし、妊婦患者さんの左側から患者さんの腹部右側を持ち、自分の方に引きつける、もしくは、患者さんの右側から患者さんの左側に腹部を押すことで、下大静脈の圧迫を解除することが必要です。

 イメージがつきにくい方は、Googleで子宮左方移動を調べて見てください。救急救命士の分娩対応について、先日講習を受けてきたので、近日中に投稿しようと思います。