昇任試験 地方公務員法・地方自治法 まとめ
※参考図書:東京法令出版「10訂版 最新消防模擬問題全書」
以下の内容は、この本を参考にし、回答・解説・要点をまとめたものになります。
公務員
・地方公務員法第13条:人種、信条、性別、社会的身分、門地、政治的意見、政治的所属関係によって差別されてはならない。
・制度は、閉鎖式任用制で階級社会である。
・公務員は基本的に団体権等が認められていないが、一応、労働者として労働基準法が適応される。(全農林事警職法)
・職員団体の交渉の対象は、給与、勤務時間、勤務条件についてのみ。
・基本的には副業禁止だが、任命権者の権限で副業可能。
職員採用(任用)について
・受験成績、人事評価、能力の実証に基づいて、政令指定都市では人事委員会が、規模が小さい地方では公平委員会が担当する。(都道府県または政令指定都市では人事委員会は必須機関であり、人口15万人以上の都市および特別区は任意設置)
いずれも3人の委員、人事委員会は常勤・非常勤。公平委員会は非常勤。
・条件付き採用期間:6ヶ月(人事委員会は、1年まで延長することが可能である)
条件付き採用期間中に欠格が判明した場合でも、その間の給与は発生する。なぜなら労働の対価であるから。(地方公務員は労働に対して給与を受ける人をいう)
・国籍による受験拒否は合憲である。
・欠格要件について 懲戒免職処分を受けてから2年経過するまでは欠格。任命権者の免職行為がなくても当然に失職する。(任命権者が免職!と言い渡さなくても、欠格している本人は退職することになる)
・基本は、競争試験と選考
・再任用の雇用については、1年以内の契約になる。
・職員の任命は、任命権者の権限(採用、昇任、降任、転任)。
・採用などに関しては、人事委員会があれば人事委員会、なければ任命権者の権限。
・任命権者より職員が処罰された時に職員がその処罰に納得がいかない場合、3ヶ月以内に人事委員会に対して審査請求をすることができる。(行政不服審査法)
地方公務員法第34条 秘密保持義務
・違反した者は、公務員である期間は地方公務員法で裁かれ、退職後は刑事罰として裁かれる。鑑定人(裁判での証言をする場合)が秘密を暴露する場合は、任命権者の許可が必要である。
特別地方公共団体
・特別区、組合、財産区(山林、土地、温泉が含まれる。)、合併特例区の4つ。
条例
・条例の制定は、地方公共団体が議会の議決を経る。条例を違反した者は、禁錮・懲役・罰金などの対象とすることができる。
・条例は公布から10日後に施行
・職免に関しては、法律又は条例で決められている。
規則
・規則は地方公共団体の長が制定する。規則を違反した者は、罰金の対象にしかならない。
・規則では、科料は科することはできないが、過料であれば適応される。(科料は刑法上の罰であり、過料は行政法上の罰であり”あやまち料”といい、罰が軽い)
処分
・懲戒処分 戒告、減給、停職、免職(退職金なし) *免停減戒
・分限処分 降任、免職、休職、降給 *降免休降
・論旨免職:話し合って、自主的に辞表を申出させること。
・起訴猶予でも懲戒処分にできる(刑事処分と懲戒処分の内容が合わない場合もある)
地方自治
・自治立法権、自治行政権、自治組織法、自治財政権が含まれる。
・全ての自治義務に対して条例を制定する。
・自治事務とは、労働委員会と収容委員会の権限に関するものに限る。また、地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外の事務を指す。
・都道府県は、市町村が処理するに適さない事務をこなす。
・市町村のみにある農業委員会が設置されている。
予算の原則・財源
・総計予算主義の原則・単一予算主義の原則・予算統一の原則(款に大分類する)・会計年度独立の法則・予算の事前決議の法則・情報公開の原則
・国庫支出金(紐付き財源)
・給与に係る費用は、掛け金と地方公共団体の負担金による。
公有財産
①行政財産(道路や水道も含まれ、条約で決められる)
②普通財産に分けられる。
・使用料とは、行政財産の使用や公の施設を利用する対価として徴収するもの。(例として公立高校の授業料)
・公共下水道は分担金で賄っている。
・公の施設とは、普通地方公共団体が設置して住民の利用に供するもの。
・公民館、都市公園、公共下水道は特別な定めがある
・正当な理由があれば、使用を拒むこともある。