昇任試験 警防

※参考図書:東京法令出版10訂版 最新消防模擬問題全書

以下の内容は、この本を参考にし、回答・解説・要点をまとめたものになります。

 

消火活動

・吸管は2名以上で伸ばす。

・筒先配備は①建物背面、②側面、③2階、④1階の順に行う。

・開口部への注水は斜めから行う。

・最先着隊の指揮者は、防災センターへ行き情報収集に努める。

・建物の消防用設備等は、積極的に活用する。

・濃霧が充満している場合には、ストレート注水と噴霧注水(圧力)を2筒先1組として放水する。

・落下物危険(あらかじめストレート注水又はとび口で落としておく) 

・残火処理は高所から低所へ、周辺から中心部に向かって進める。必要に応じて、砂、化学消化剤を活用する。

モルタルの亀裂に注意。中で延焼している可能性もあるから、モルタルなどの壁間の潜伏火源は素手で温度を確かめ、壊して注水する。モルタルパラペットは、高さと同じ距離だけ飛散する可能性がある。

・耐火造建物(ビル)火災では、効率が悪いことから転戦は最小限にする。

・ブロック角火災:建物の両面を優先する。

ブロック面火災:建物の背面・両面に警戒する。

・第一成長期:水蒸気を含んだ白煙

第二成長期:黒煙に変わり、フラッシュオーバーが懸念される。投光器の活用でフラッシュオーバーの危険を確認(煙の色や量を観察する)

・飛火は50-200mの範囲で拡大する可能性がある。

着火力のある火の粉は、延焼後10~20分の間に多く発生する。風下に卵状・扇状に拡散する。

・反射注水 死角に対して有効であるが、無効注水になることも多い。

・筒先を配備する優先順位として、①火点、②直上、③直下である。

 

 

 

木造建築

・大規模木造建築で燃焼が熾烈な場合が、放水銃の使用を考慮する。

・木造建築建物の火災におけるホース展張要領は、倒壊などによって切損する可能性があるので、火面に対して垂直に展張する。

・最盛期では、延焼建物の軒高の2〜3倍(9〜14m)先に輻射熱で類焼する可能性がある。木造の延焼危険温度は260℃である。

・家屋は、新材と古材では古材の方が遠距離でも延焼する。

・気象によって延焼の進行が異なる。軒高の2-3倍の範囲に危険がある。

・フォグガンは水量が足りないため、一般木造建築に向かない。

・後着隊が放水銃を使用することを考慮する。

 

消火方法

・間接的消火方法として、吸熱と排煙で消火する方法がある。

 

泡消火

・火点は大口径でたん白泡剤、周辺は小口径で界面活性剤を使用する。

・たん白泡剤:付着性がいい。タンク火災に適している。

・界面活性剤:流動性が高く、広範囲に使用できる。

・耐アルコール泡:水溶性可燃物液体火災に適している。(メチルエーテル(引火性液体)など)

・高膨張泡には、排煙効果があり、泡の中でも進入可能である。また、泡は対流により火に向かう性質があるため、進入困難な場所でも送泡できる。

 

屋内侵入

・照明器具で足元を照らしながら侵入。(照明を使うことによってバックドラフト、フラッシュオーバーを認識・回避することができる。)

・実施側開口部(吸気側で煙が少ない側)と排煙側開口部(排気側で煙が吹き出してくる側)があるため、侵入は実施側から侵入する。

・人命検索は狭い場所や排煙の排気口側を検索する。

・中性帯:大気の圧力差(炎が見える空間でも見えない空間でも発生する)

・窓ガラスの破壊時は、上から順番に壊すこと。

・窓ガラス破壊時の警戒区域は、風速が15m以上なら窓の高さ分、風速15m以下であれば2/1の高さ分とする。

・マンホール内に侵入するとき、ガス検は3箇所(上部、中部、下部)で行う。

・人命検索をする時の優先順位は。①火点、②直上、③最上階、④直下

 

水損防止

・下階全般に行い、漏水は外へ排出する。

・変電室などは、水損防止措置を講じた後に、必要最低限の注水を行う。

 

救出

・重傷者の救出は、すぐさま避難場所に搬送できない場合は、比較的安全に緊急避難することも考慮する。

・梯子車で救出する際は、リフターよりも大量救出に努める。

 

 

特殊火災

・林野火災:発見が遅れることが多い。特に夜間は見つけるが難しい。

・圧気工事現場では、高圧の空気を送って作業するため、物の燃焼が著しい。

・ダクト火災では、早期に運転を停止させる。注水は最小限に行う。

・冷凍倉庫火災:収容物が判明するまで侵入禁止。機密性と冷却ガスによって建物内は酸欠になっている可能性がある。

・地下鉄火災は、噴霧注水とする。

・自動ラック式倉庫火災は無人であることが多い。

 

・RI火災:β、γ、X線外部被曝する可能性がある。

放射線危険区域の定義:毎時0.1ミリシーベルト以上の区域

消防活動は1回10ミリシーベルト以下、年間50ミリシーベルト以下

 

・電気火災 

ノズル圧力・口径が大きくなる・距離が近づく・水の電気抵抗が低い

→漏洩電流が大きくなる

 

・毒物劇物

劇物の中和反応は熱も発生するので、徐々に行う。

火災時は、防護服の上に防火衣を着て活動する。

汚染範囲を調査し、関係機関に連絡する。

測定器 もっとも危険な数値を採用する。

 

・ガス漏えい

ガス漏えいは静電気を防ぐために防火衣を濡らす、予備隊員を2倍確保する。

ガスが充満している場合は、屋外の電源を遮断する。

 

・地下室火災(地下街火災) 

地下2.3階でも一時避難に使える。上階の天井を壊して、直接注水するやり方もある。方向感覚を失いやすく、無効注水になりやすい。独特な気流が発生している。

 

 

特殊車両

・梯子車からのてい上放水は仰角をつけて天井に向かって上下左右に移動注水を行う。(下から上に向かって、反射注水を行う。)

・てい上放水の限界は、全伸悌で角度75度、反動力N700。

 

その他

・ガスの復旧作業は、ガス会社が行う。

・重要な任務は、直接口頭で伝え、復唱を求めるのが良い。

・避難箇所が1箇所しかない誘導は、歩行速度が早い人を先、遅い人を後に避難させる。

・火災の原因に関しては、速報と言う形で公表する。後日、判明後修正しても良い。

・前進指揮所では資機材を集結させる。報道関係からの影響を受けない場所に設定。

・情報指揮隊:重要事項及び報道対応を最優先とする。

・風水害時に、土砂の搬出は消防隊の放水によって行うことが効果的である