【救急】化学損傷

第29回全国救急隊員シンポジウムの発表によると、化学損傷の傷病者に対して、早期搬送が必ずしも良いとは限らない。

 

強酸性や強アルカリ性の薬品などにより化学損傷をきたしてしまった場合には、早期搬送するよりも現場で30分以上大量の流水で洗い流した後に、搬送するのが良い。理由としては、負傷部位に化学物質が留まることで皮膚への侵食が進行していくからだ。搬送に移行してしてしまうと、何も処置ができないので皮膚への侵食が進行してしまう。搬送しながら洗い続けることができれば、それが最適解になるかもしれないが、救急車内に30分間化学物質を洗い流せるほどの生理食塩水や水を積んでいないので現実的ではないと思う。

 

各地域によって事情があると思うので、一概には言えない。しかし、収容依頼の電話の際に”現場にて30分ほど流水で流してから搬送に移行したい考えているのですがどうですか?”など提案するのが良いと思う。