【救急】アナフィラキシー
アナフィラキシーに関する講習会に参加してきた内容をフィードバックしたいと思います。皆さんに共有したい内容はこちらです。
アナフィラキシーの分類
原因物質(抗原)により感作される準備期間の後、その原因物質が再び生体に接触することで引き起こされる免疫学的機序による全身的なアレルギー反応。
原因物質(抗原・アレルゲン)に対して、体の中からヒスタミンが放出されることによって、過剰な免疫反応が起こる。
・食物依存性運動誘発アナフィラキシー
原因物質を摂取して、概ね4時間以内に、運動したことが引き金になる。
小・中学生に多い。特に男児に多い。
原因物質として、小麦関連であることが多い。
※小・中学校で昼休み中に救急要請があった場合は、この疾患の可能性を考える必要がある。
・二相性アナフィラキシー
原因物質摂取後に、初期症状が見られたが、その後回復。
しかし、その後(多くは8時間以内)に1回目よりも強反応のアナフィラキシー症状。
※二相性反応と呼ばれるこの反応は、全体の1〜20%の頻度で見られる。現着後、回復していた場合でも可能性を視野に入れて活動する。
アナフィラキシーの症状と時間経過
・原因物質によって、進行速度が異なる。
・所見として皮膚症状、消化器症状、呼吸器症状、循環器症状がある。状態が深刻になるにつれて、(軽症)皮膚症状→消化器症状→呼吸器症状→(重症)循環器症状と進行していく。(ミュラー分類)
・必ず消化器症状も確認しましょう。
・病態の悪化が早く進行していく疾患なので、後手の対応にならないように、先手(オーバートリアージ)を覚悟する。
※個人的には、上記の表でグレード2に当たる所見が見られたら、ホットラインで三次医療機関を選定したいと思います。
・下肢挙上の効果は、急速輸液200㎖〜300㎖の作用があるので、呼吸苦を伴っていなければ、積極的に実施する。
※アナフィラキシーは、現場の救急隊の判断が試される疾患なのかな、と個人的には思います。原因となったアレルゲンの検索は、病院にいる医師や看護師にはできないですからね。原因検索を含めて、現場活動ができればいいなと考えています。食べた食物の成分表示が書かれているパッケージや実際に食べたものを医療機関に持っていくのも、ひとつのアイディアかも知れませんね。
2021 昇任試験 概要
科目
③消防法・同法に基づく諸法令(予防技術)
④火災防御・水防・救急(警防技術)
⑤機械運用・ポンプ運用技術(機械技術)
⑥時事問題・その他(社会常識)
⑦指定した論文課題
⑧物理・化学・電気・気象
・その年によって問題を作る消防本部が異なる。
・基本的には、5択問題か4択問題。予防のみ、選択式穴埋め問題と選択肢なし穴埋め問題。社会常識も一部記述(首都名)
・各科目10問。予防と社会常識のみ30問程度
・東京法令出版と近代消防(通称:1000題)の出版の2冊のテキストがあるが、今年はほとんど東京法令出版から出題はなかった。
・どちらの問題集にも目を通した上で、内容を理解することが必要(印象として、東京法令でざっくりとした問題、近代消防(通称:1000題)から細かい問題)
・県の平均点以上が合格ライン?
・複数回受験した人には加点?がある
・憲法前文に規定されていること、天皇の役割、裁判官、指名任命認証、衆議院の優越、法の下の平等、表現の自由など
・行政法に関わる問題はほぼなかった?
・懲戒処分と分限処分に関わる問題が3問?程度
・消防本部や消防署、消防団などの設置や位置、名称などが、何によって定められているか(条例、規則など)消防署長の条件などが3問?程度
・警察との関係性
③消防法・同法に基づく諸法令(予防技術)
・消防法第8条全文 選択肢付きの穴埋め問題
・第4類危険物の指定数量の記述(消防法第9条の4)
・消火器の関わる施行令 選択肢なしの穴埋め問題
・少量危険物の関わる施行令 選択肢なしの穴埋め問題
④火災防御・水防・救急(警防技術)
・木造建物火災・耐火建物火災の特徴、ホース展張要領、フラッシュオーバー、共同住宅からの避難要領、電気火災、有毒ガスなど
・バイタルサイン、法定伝染症、
⑤機械運用・ポンプ運用技術(機械技術)
・緊急走行中に一般車両と事故を起こしたその後の対応
・タイヤについて
・放水反動力、計器に関する問題
・計算問題は、東京法令出版からそのまま出題(このような状態にある時に、計器の値はいくらか)
⑥時事問題・その他(社会常識)
・東京オリンピック金メダル第一号者の競技
・首都名(カナダ、オーストラリア、スイス、タイ、ブラジル)
・漢字(類義語)、英熟語、
・日本の名所・県名(田沢湖、秋吉台、十三湖、阿賀野川、利尻島)
・野球に関する問題(完全試合、ア・リーグ、ナ・リーグ、三冠王)
⑦指定した論文課題
・消防士長としての役割
びっくりするぐらい時間が足りない。事前に内容や展開の構成を考える必要がある。
⑧物理・化学・電気・気象
・物理変化、地震に関する問題
・ドルトンの法則(分圧)に関する計算問題、J(ジュール)の計算問題
・直列、並列、電圧、電流、電気抵抗に関する計算問題
・台風の定義、土砂災害の定義、気象警報の種類
○全員で合格できることを心から祈っております。
【時事問題】2021年上半期
1月
・イギリスがEUから離脱。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)への参加を希望。
・アメリカ 共和党トランプ首相から保守党バイデンへと政権交代。
副大統領に黒人女性カマラ・ハリスが採用される。
トランプはパリ協定から離脱しましたが、バイデンはパリ協定に再び参加する。
・核禁止条約が制定。核兵器の保持・実験など全てを禁止する条約。
唯一被爆国である日本は、アメリカが参加していないことから参加していない。
”Hibakusha”という言葉が条約に含まれている。
2月
・ミャンマーでクーデター
アウンサースーチーが軟禁される。
3月
・東日本大震災から10年
アメリカでアジア人・黒人が差別される(Black lives matter)
4月
・消費税の総額表示義務化
・温室効果ガスの排出量46%削減を表明
日本は2050年に脱炭素社会の実現を掲げる(カーボンニュートラル)
Sustainable Development Goals (SDGs)17項の持続可能な開発目標
5月
6月
・日本の総人口が世界11位に後退
メキシコが世界10位になった。
世界人口の順位は、①中国 ②インド ③アメリカ
【機械】
公式
反動力 F=150d²P
放水量 Q=0.208d²√P
摩擦損失 FL=0.137LQ² (摩擦損失係数 65mmホースの場合は0.137)
照度 Lx=cd/r²
流速 V=44.2√P
吸入率(%)=原液吸入量/混合液量 (原液/全体量)
トルク T=L╳F
水量 放水量╳使用可能時分
電力 電圧╳電流
速度水頭 V²/2g
発泡量 混合液量(㎥)╳缶数╳発泡倍率
消火面積 発泡量/泡の厚さ
衝撃力 F=R=ρQV
ポンプ圧力=ノズル圧力+背圧+損失
使用可能時間=残水量/毎分減水量
ボンベ使用時間T=(充填圧力ー残圧)╳ボンベ容量/毎分の使用量╳環境圧力(0.1)
ボンベ使用量=(使用前圧力ー使用後圧力)╳ボンベ容量/使用時間╳環境圧力(0.1)
ゲージ圧力=絶対圧力ー大気圧力
脱出所要圧力 =(脱出所要時間╳1分間の所要圧力)÷ 余裕圧力
圧縮比=燃焼室容積+排気量/燃焼室容積
液体の吸水高さ=真水の吸水高さ/液体の比重
吸管内の流速 V=Q/A
全揚程=真空計の読みー吸込速度水頭+(圧力計の読み+吐出速度水頭)
吸水落差=真空指度╳100
F 反動力・衝撃力
d ノズル口径(cm)
P ノズル圧力(MPa)
Q 放水量(㎥/min)
FL 摩擦損失(MPa)
L ホース本数(本)
cd 光度(カルデラ)
r 距離(m)
V 流速(㎧)
ρ 水の密度
A 吸管の断面積
放水反動力 F=150d²P Q=0.208d²√P
:Q(放水量)が一定であれば、ノズル圧力(反動力)は1/2乗に比例する。
:ノズル圧力を変えずにノズル口径を2倍にすると、QとFは4倍、Vは変わらない。
:ノズル口径が同じならば、ノズル圧力が2倍になると反動力が2倍になる。
:まとめると、ノズル口径の2乗とノズル圧力に比例する。
摩擦損失 FL=0.137LQ² Q=0.208d²√P
:通水路の長さ(ホースの本数)と通水量の2乗に比例する。吸水量を2倍にすると、摩擦損失は4倍になる。
:ノズル口径の4乗に比例する。
:50mmホースは、10本延長が限界。65mmホースは、28本が限界。
・同じノズル口径ならば、ノズル圧力が4倍になると、放水量は2倍、ホース1本の損失は4倍になる。
ポンプ計器・ポンプ運用
必ず押さえておくpoint
・放水量が少なくなると、ポンプの負荷が小さくなり、圧力計が低下する。
・放水量・吸水量が大きくなると、ポンプの負荷が大きくなり、圧力計が上昇する。
キャビテーション
:吸管から空気が入ってくること。
:ノズル口径を大きくすると、放水量や吸水量が増加するので、キャビテーションが起こりやすくなる。
:原因として、落差が大きいことや吸管が長いこと、ストレーナーが目つまりしていること、放水量が大きいこと、ポンプ運転が高速であること。
:対策としては、上記の原因になる行動をしないことと放水口数を少なくして、吸管を並列に使用する(吸管を2本同時に使用する)。
・二又延長体形と二線延長体形では、1口をシャットした時の圧力の上がり方が違う。
:(二線延長体形)一線放水している状態から、さらに一線増やすと、放水量が2倍になり、吸水量も2倍になる。その際にエンジン回転が上がるが、ポンプ圧力は変わらない。
:(二又延長体形)一口放水中にさらに一口放水すると、エンジン回転とポンプ圧力が下がり、真空指度は高くなる。(放水量が増えるため、吸水量も増える)
:二線延長中に片側シャットすると、エンジン回転とポンプ圧力が上昇し、真空視度は下がる。
・吸水完了時期は、圧力計によって判断できる。
・送水開始時期は、ホース延長が約8割終わった時点で行う。(予備注水)
・送水開始圧力は、通常ポンプ圧力が0.1~0.2MPaが良い。
・真空ポンプは、毎分800〜1200回転にする。
・吸水落差が4mある場合には、原則吸管2本を使用すべきである。
・無圧水利を使用する時は、水面から30cm以上、底面より15cm程度を目標に吸水ストレーナーを投入する。
・ポンプ負荷は、ホースが破断した時よりもノズルをシャットしたときの方が小さい。(負荷は、流量と揚程に比例するため、流量が増大したことによって負荷が大きくなる)
・吸管を1本から2本に変更すると、損失は1/4になる。
・流水に藤カゴを投入する場合には、流れに逆らうように投入する。
・筒先を高所に移動させると、送水量がわずかに減少することで、圧力計は上昇し真空計は低下する。
・エジェクターとは、送水を停止することなく、他方の吸管から吸水を行うものであり、バルブの開度は、落差等によって調整する。
・中継体系は、元ポンプに放水量が大きいポンプ、先ポンプに全揚程の高いポンプを配置すべきである。
・ポンプの分類
:往復ポンプ ①ピストンポンプ ②プランジャポンプ ③バケットポンプ
:回転式ポンプ ①渦巻きポンプ(タービンポンプ)②軸流ポンプ ③回転ポンプ
:特殊ポンプ ①ジェットポンプ ②水撃ポンプ
※タービンポンプは、泥が混入した水でもポンプには差し支えがなく、均一な放水ができる。ポンプ回転と吐水量は正比例せず、ポンプ効率が良い。案内羽根(ガイドベン)が備わっている。案内羽根は、速度水頭から圧力水頭に変える作用がある。案内羽根と羽根車の羽根数は、差をつけ、衝撃を生まないようにする。
※渦巻きポンプの特性曲線グラフについての問題は、全揚程は一番値が大きく、効率は0から始まっていることを考えることで正解できる。
・ポンプ圧力を決定する要素
:必要放水量・ホース延長数・ホースの種類・放水落差
・ポンプ能力の限界を示す要素
:吸水側はキャビテーション・ポンプはエンジン馬力・吐水側はホース延長数
キャビテーションが起きれば、水量不足になっていて限界であるし、エンジン馬力が足りなければ、そのポンプの限界。ホースが延長しすぎると吐水側が限界を迎える。
真空指度
・真空指度に表れる一般的な要素
:吸管の吸水損失・吸水配管の吸水損失・ストレーナ等の吸水損失・吸水落差損失
・真空できない原因
:真空ポンプクラッチのすべり・真空ポンプの不良・真空ポンプオイルの不足・ドレンコックの不良・グランドパッキンの不良・吸管のゆるみ・逆止弁の不良(閉鎖)・自動放口閉塞弁の不良
空気呼吸器
・皮膚に炎症を起こす水素には対応できない。
・漏気点検:1分間で圧力降下が1.0MPa以内であれば、問題なく使用可能。
ボンベの色
窒素 灰 小さなネズミ
炭酸 緑 河童さん
水素 赤 赤い彗星
酸素 黒 酸素で真っ黒
※小さなネズミと河童さん、赤い彗星が衝突して、酸素で真っ黒
関連知識
・電気火災 注水による漏洩電流
:漏洩電流が増加する原因として、ノズル圧力の増加、ノズル口径が大きい、注水距離が近づく、電気抵抗が低いが挙げられる。
・ギアー油:適切な粘度、極圧性に優れる(圧力に強い)、酸化安定性が良い、腐食や錆に強いこと。
・機関の熱効率
:ジーゼル機関45~47%・ガス機関34~40%・ガソリン機関29~33%・蒸気機関4~15%
・無線機の受信電波が弱い場合は、スケルチ調整つまみを雑音が出る方向へ回す。
・自然水利から吸水するときの、水温1℃が最も有利。
・エンジンのエアクリーナーは、シリンダーの摩耗を防止する役割がある。
・エンジン・ガバナは過回転を防止し、エンジンの損傷を防ぐ役割がある。
・自動車用バッテリーの温度は液温20℃を標準とする。
・エンジンブレーキは、急な下り道を走行する際に、速度を他のブレーキによらずに制動するときに使用する。
・2サイクルエンジンは、不完全ガスの発生は4サイクルエンジンよりはるかに多い。
・動滑車をひとつ使用すると、1/2の力で物体を動かすことができる。
・プランジャのスタートが遅い原因は、ラム内にエアが入ったためである。
・消防車に警鐘を設けるのは、消防法によって定められている。
・境界レイノルズ数は、2320であり、小さいと層流、大きいと乱流になる。
・エンジンの動力伝達
①ピストン ②コネクティングロッド ③クランクシャフト ④クラッチ ⑤変速機
・化学車の空気泡剤の混合方式
:デリベル型ー可搬式 ①ラインプロポーショナ方式 ②ピックアップ方式
:デリベル式ー固定式 ①デリベリプロポーショナ方式 ②プレシャプロポーショナ方式 ③ポンププロポーショナ方式
・ラインプロポーショナーから先のホースは、1〜2本が限界である。また、泡剤吸引の原理は、ベルヌーイの定理で成り立っている。
・ポンププレシャ方式は、空気泡剤専用ポンプで、空気泡剤をポンプの吐水側に圧送するものである。
・フリーマンの定義
:水が雨滴状にならないで、水流が連続して飛ぶ距離
:肉眼で3/4以上が直径25.4cmの円形の中を通過する距離
または9/10以上が直径38.1cmの円形の中を通過する距離
:相当強い風が吹いても集中状態が良く、跳ね返りが強い状態
・ベルヌーイの定理の成立条件
:圧縮性、粘性のない完全流体で一定量が流れる
:重力のみのエネルギーで、その他のエネルギーの出入りがない
・装置と名称
:サーモ・スタット:冷却装置
:フィルド・コイル:発電装置
:バキューム・スパーク・コントロール:点火装置
:シンクロ・メッシュ:変速装置
:マスター・シリンダー:制動装置
:コンプレッションリング:燃焼室の機密保持とピストンの熱をシリンダ側に伝えて放熱させる作用がある。
:ピストンリング:コンプレッションリングとオイルをかきおろす作用があるリングである。
・止水弁は、空気を通すが水は通さないことで、真空作成時に無駄な吐水を避ける役目を担っている。
・止水弁が故障すると、排気口から流水する。
・逆止弁は、真空ポンプからポンプに空気が入るのを防ぐものである。
・逆止弁が故障すると、真空試験ができなくなる。
計算式
【予防】建築基準法
建築主事
・建築主事の職務権限は、建築基準法によって与えられている。
・国土交通大臣の行う建築基準適合判定資格者検定に合格し、都道府県知事または市町村長に任命される。
・消防同意:消防がない地域では市町村長が行う。
・消防同意は、建築主ー建築主事ー消防長ー建築主事ー建築主の順番で進行する。
非常用進入口
・幅╳高さ╳下端の床面からの高さ:75╳120╳80
幅員4m以上・間隔40m以下・奥行き1m以上で長さ4m以上のバルコニーを設ける。
・非常用進入口の代わりとなる開口部を代替進入口という。代替進入口は、10m以下の間隔で設ける。
その他の関連知識
・2階建ての建築物で面積関係なく、2以上の直通階段を設ける必要があるものは、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場である。
・非常用の照明装置の設置を設けるのは、集会場である。
【危険物】
危険物施設
・危険物規制の対象外(航空機、船舶、鉄道、石油パイプラインなど)
・危険物の無許可貯蔵は、違反した行為者と法人に課せられる。
・貯蔵取扱は消防法第10条3項で規定されている。
・仮貯蔵、仮取扱は消防長または消防署長が承認する。
条件:期間は10日以内。数量:制限はない。場所:製造所等以外の安全な場所。
・仮使用、変更、用途廃止、危険物保安監督者を定めた時には市町村長へ報告する。
製造所
・製造所などの緊急使用停止命令は、代執行できない。(義務者に直接伝える必要があるので、代執行の対象とならない)
・製造所は網入りガラス。不燃材料で造る。必要な採光、照明、換気できる設備を設けること。
・避難階を地階に設けることはできない。
・学校から30m以上の保安距離が必要
・製造所の空地に関しては指定数量の倍数が10倍以下なら3m以上、10倍を超えるのであれば5m以上必要である。
貯蔵所
屋内貯蔵所
・学校から30m以上の保安距離が必要
屋外貯蔵所
・屋外貯蔵所で取り扱える種類は、第2類危険物(硫黄のみ)引火性固体、第4類引火性液体のみである。
・学校から30m以上の保安距離が必要
屋内タンク貯蔵所
屋外タンク貯蔵所
・屋外タンクは、屋外なので有効な塀を満たせば、離隔距離を免除できる
・内部点検記録は、26年保存
・屋外タンク貯蔵所の防油堤の高さは、0.5m以上で上限なし。
・学校から30m以上の保安距離が必要
・屋外タンク貯蔵所の休止の申請は、休止しようとする者であれば誰でも良い。
・離隔距離について
指定数量の倍数が500以下なら3m以上
500〜1000以下なら5m以上
1000〜2000以下なら9m以上
2000〜3000以下なら12m以上
3000〜4000以下なら15m以上
地下タンク貯蔵所
簡易タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所
・移動タンク貯蔵所には、移動タンク貯蔵所に関する移送基準がある。
・運搬車両の前後に標識:地が黒で文字が黄色。0.3㎡以上0.4㎡以下
・指定数量を超える場合は、第5種消火設備(小型消化器、水バケツ、水槽、乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩)が必要。収容口は上で積載。
・移送開始前に点検。塊上の硫黄(個体)であれば密閉せずに搬送可能。
・内部点検記録は、10年保存
・移動貯蔵タンクは、容量30,000ℓ以下で、4,000ℓ毎の間仕切りが必要
・査察時に貯蔵されている危険物の品名の記載を確認する必要はない。
取扱所
給油取扱所
・給油取扱所におけるガソリン専用タンクの無弁通気管の基準
敷地境界線から1.5m以上離す
窓から1m離す。
屋外は地上4m以上。
水平より下に45度以上曲げる。
雨水の侵入を防ぐ構造とする。
通気管は、直径30mm以上
・販売取扱所
・第1種販売所は、壁を準耐火構造にする。指定数量の15倍以下
・第2種販売所で、上階のない場合には不燃材料は不可。指定数量の15~40倍。ボトル売り可能。
移送取扱所
一般取扱所
・学校から30m以上の保安距離が必要
定期点検
・定期点検が必要な製造所等
政令7条の3関係(指定数量10倍以上の製造所、150倍以上の屋内貯蔵所、200倍以上の屋外タンク貯蔵所、100倍以上の屋外貯蔵所、移送取扱所、10倍以上の一般取扱所)、地下タンク製造所、地下タンク貯蔵所。
実施:1年に1回以上
保管:原則3年間
点検義務者:所有者、管理者、占有者
点検実施者:危険物取扱者、危険物施設保安員、危険物取扱者の立ち会う場合は取扱者以外の者
・点検記録には、点検した施設の名称、点検方法、結果、点検年月日、点検実施者を記載する必要がある。
保安距離
・学校から30m以上の保安距離が必要な施設。
製造所、屋内貯蔵所、屋外貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、一般取扱所
危険物施設に関わる者
法12 製造所の許可取り消し(検査を受けていない。定期点検を実施していない。完成検査を受けていない。許可を受けずに変更した場合。)
・危険物保安監督者を定めなければ、人に対して懲役及び罰金刑。
・危険物取扱者試験は、消防法に違反した者は受験できない。
・危険物設備の設置許可申請書の記載事項については、危険物取扱者や保安監督者の名前は必要ない。市町村長に提出。
・危険物免許は生涯有効。返還したら1年後、罰金以上ならば2年後。写真が10年経ったら変更する必要がある。
・危険物保安監督者が必要ない対象物は、指定数量の倍数が30以下で引火点が40度以上の屋内貯蔵所、屋外貯蔵所、タンク系、第一種販売取扱所、第二類販売取扱所には不要である。
危険物施設保安員が必要な施設
危険物施設 |
取扱数量 |
製造所 |
指定数量の倍数が100以上 |
一般取扱所 |
|
移送取扱所 |
全て |
危険物保安統括管理者と自衛消防組織が必要となる施設
危険物施設 |
取り扱う第4類の危険物の数量 |
製造所 |
指定数量の倍数が3000以上 |
一般取扱所 |
|
移送取扱所 |
全て |
甲種・乙種・丙種の免状について
免状の種類 |
取り扱うことができる危険物 |
危険物取扱者以外の者が立ち会うことで、取り扱える危険物 |
危険物保安監督者選任されるかどうか |
甲種 |
全て |
全て |
実務経験6ヶ月以上 |
乙種 |
免状に記載の危険物 |
免状に記載の危険物 |
実務経験6ヶ月以上 |
丙種 |
ガソリン、灯油、軽油 第3、4石油類、動植物油類 |
╳ |
╳ |
・危険物取扱者は、都道府県知事が保安に関する講習を3年以内ごとに講習する。
・甲種危険物取扱者試験を受ける場合は、
①乙種免状で2年以上の実務経験を行っている
②第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類の4種類を取得していること。
関連知識
・収去:行政機関において、危険物、薬品等を検査または試験をするために強制的に取り去って処分すること。
・消防署長または消防長に届け出なければならない圧縮アセチレンガスの数量は、40㎏以上で、液化石油ガス300㎏以上である。
【予防】消防用設備等
消防用設備等(消防法第17条)
・消防用設備の設置維持命令する場合は、その旨を公示しなければならない。
・従わなかった場合は、1年以下の懲役または、100万円以下の罰金。
・消防設備は地域性で厳しくすることはできても、緩和することはできない。
・維持が必要な関係者:所有者・管理者・占有者・不法占拠者。
・総務大臣が認定したものであれば、代替可能である。
・用途変更する場合、変更前の消防用設備で適合すれば変更する必要はない。しかし、用途変更(非特から特防)なら適合するか確認し、火災予防上の必要があれば変更する。
・特例認定は、消防法17条の3の3を遵守しているかどうか。
・甲種消防設備士のみが特殊消防設備の工事または整備をすることができる。工事を行う10日前までに消防署に届出が必要。
・措置命令は代執行可能である。
・消防用設備等の点検には2種類ある。機器点検(6ヶ月に1回)と総合点検(1年に1回)。届出者は、防火対象物の関係者である。
・特防で1,000㎡以上のものは、消防設備士または消防設備点検資格者に点検をさせなければならない。
消防の用に供する設備
消火設備
・SP 送水圧1.5MPaを目標で送る。
圧力が上がらない場合は、開放個数が多すぎるため有効な注水になっていない。その場合は、止水弁を確認する。
・大型消火器
150㎡以上の公会堂・集会場には消火器が必要。
粉末消火器 20kg以上
機械泡消火器 20kg以上
ハロゲン化物消火器 30kg以上
二酸化炭素消火器 50kg以上
強化液消火器 60kg以上
水消火器または化学泡消火器 80kg以上
・エアゾール式簡易消火器具
内容積は1ℓ以下で、90%以下であること。
再充填できないものとする。
・不活性ガス消火設備
局所放出方式の不活性ガスは二酸化炭素でなければならない。
警防設備
・自動火災報知器
末端には、発信機・押しボタン・終端器
0.8~1.5mの高さ。蓄電池は10分以上
特防 200 or 300 or 全部
非特 500 or 1000
11階以上は全ての防火対象物
非難階又は地上に直通する階段が2以上ないもの。
共同住宅部分が500㎡以上では設置対象となっている。
・ガス漏れ火災警報設備
16-2項で1,000㎡以上
16-3項で1,000㎡以上で、特定用途部分の床面積が500㎡以上
特定用途の防火対象物の地階で、1,000㎡以上
複合用途防火対象物の地階のうち、床面積が1,000㎡以上で、特定用途部分の合計が500㎡以上
・非常警報設備
・放送用のスピーカーを階段または傾斜路に設ける場合には、垂直距離15mにつき、L級を1つ以上設けること。
・起動装置は、0.8m~1.5mの箇所に設置し、歩行距離で25m以下の間隔に設置する。
・音響装置は、各階ごとに水平距離50mの間隔で設置する。1m離れた場所で90デシベル以上が必要である。
避難設備
・6項(病院など)に掲げる防火対象物は、いずれの階においても滑り棒、避難ロープ、避難はしごを設置することはできない。滑り台は設置しても良い。
・誘導標識は、全ての対象物に義務がある。
・廊下または通路では、歩行距離7.5m以下及び曲がり角に設けること。
・誘導灯は、面積には関係なく用途によって必要である。非常電源は、60分以上が必要。非常電源の場合は、150〜400ルーメン以上が必要である。
消防用水
防火水槽
・水槽の標識は、消火水槽である。
消火活動上必要な施設(ハイレンレンヒム)
排煙設備
・排煙口には、手動開放装置または煙感知器と連動する自動解放装置、遠隔操作方式による開放装置が必要。
連結送水管
・高層ビルなどの消火活動が困難な場所に水を送る管
・元々、管に水が入っている湿式と、管に水が入っていない乾式がある。
・有効圧力が得られない場合は、屋上水槽の逆止弁を確認する。逆止弁が機能低下している場合は、止水弁を閉じれば活用できる。
・送水口への送水は2口を原則とする。
・圧力は、5階以下であれば1.0MPa、6階以上であれば1.5MPaを目標とする。
・11階以上の放水口にはホースが収納されている。
設置基準
①7階以上
②5階以上で、延べ面積6,000㎡以上
③地下街で延べ面積1,000㎡以上
④延長50m以上のアーケード
放水口の設置基準
・3階以上の各階・地下街は、水平距離が50m以内
・アーケードは、水平距離が25m以内
・加圧送水装置(ブースターポンプ)は、高さ70m以上の建物に必要となる。
連結散水管
・地階・地下街に対して散水を行える管
設置基準
①地階の面積の合計が700㎡以上
②延べ面積が700㎡以上の地下街(16の2)
非常用コンセント
単相交流100V15A以上が必要となる
設置基準
①11階建て以上の対象物の11階以上の部分
②延べ面積が1,000㎡以上の地下街
水平距離が50m以内になるように設置する。
無線通信補助装置
・無線電波が届かない地下街で、無線電波を補助する。
地下街で、延べ面積1,000㎡以上に設置する。